LET ME IN 評価 8
2008年のスウェーデン映画
「ぼくのエリ 200歳の少女」の2010年アメリカリメイク作品「モールス」を観賞しました。モールスは今年に入ってから観賞。ちょうど一年前くらいですね「ぼくのエリ」を観たのは、それはもう残酷で美しい映画で、とても良かったのですが、すかさずアメリカがリメイク。監督は「クローバーフィールド」のマット・リーヴスで、作家スティーブン・キングは2010年のベスト映画に挙げるほど。確かに「ぼくのエリ」は素晴らしかったけど、すかさず作ったリメイクがどんなもんなんだ、と思って観賞しましたが、これがこれが、なかなか忠実。空気感は似通ってました。ただオリジナルのほうが個人的にはも少し映像が幻想的で、少年少女の孤独が際立ってて、且つ恐ろしく、また音楽が印象的だと思いました。でもこりらのリメイクはリメイクとしては問題なく、だと思います。それにオリジナルより、アメリカ好みにした結果なのか、真実が分かりやすくできてます。でも傑作をリメイクしてるんだから良くて当たり前、な部分もあるのだけれど。
雪に覆われた寂しい田舎町の団地に母と二人で住んでいる少年オーウェン。小柄で性格の大人しい彼は学校でいじめグループの標的とされている。その団地に突如越してきた少女アビー。孤独が共通点のオーウェンとアビーは団地の広場で口を交わし親密になっていく。しかし小さな町では何者かに惨殺された遺体が発見され…。そしてオーウェンはアビーの恐ろしい正体を知ってしまう。
という物語。
「キックアス」、
「グレッグのダメ日記」、
「リピート 許されざる者」のクロエ・グレース・モレッツ演じるヴァンパイア少女アビーと
「ザ・ロード」の演技も良かったオーウェン役のコディ・スミット=マクフィーの天才子役の共演。登場人物は少なくないけど、主にこの二人に焦点を絞った世界の物語。オーウェンは母と二人暮らしだけど母親役の女優の顔は敢えて画面に登場させず、少年の孤独さを強調しています。オリジナルはどうだったかな。
以下ネタバレあり
映画冒頭に中盤のインパクトあるシーンを持ってきて強調付けたり、設定も若干の変更はあるもののストーリーの流れ、などはほぼ同じ。オリジナル版に少し劣るも、美しい幻想的で寂しい空間の中で物語が進み、特にオリジナル版と違うなと思ったのは、クロエ・モレッツ演じるヴァンパイアの少女にまつわる歴史が分かりやすかったこと。彼女はいつヴァンパイアになったのかは明確にされてないが、人間でない彼女は年を取らない、だから数100年も生きている。そんな長い人生の中で、ときおりオーウェンのように心通わせることができた友人がいた。しかしアビーは年を取らない、けれど友は年老いていつしか死んでいく、アビーは友の助けを得て、人間の血を手に入れる。そんな生活で一つの町に留まることができず町から町へ渡り歩いて、友とともに生きている。それが一見アビーの父親のような登場人物なんですね。ラスト、オーウェンはアビーとともに生きることを選択するが、それはまたアビーにとっては、新たな友との悲しい生活の始まり、そしていずれオーウェンも年をとりアビーの元から去っていく。というのが、「モールス」の場合説明なしに分かりやすかったです。
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