THE MIRROR CRACK'D 評価 6
映画『クリスタル殺人事件』(1980)鑑賞。ミス・マープルの名推理。ナイルで容疑者の一人を演じたA・ランズベリーがミス・マープル役。今作は少し安楽椅子探偵型。大女優役のエリザベス・テイラーがちょっといただけない。邦題もあまり良くない。でも話はおもしろいし犯人も分かった。
@otomura2 往年の大女優マリーナ・グレッグの女優復帰の映画撮影がロンドン郊外の町で始まった。町はマリーナの歓迎パーティーを開き盛大に賑わう。屋敷の中ではマリーナの大ファンであるという女性がマリーナに握手を求めやってきた。シャンパンを受け取るマリーナと女性、たくさんの人がいる中、女性は突然苦しみだし息を引き取ってしまう。検死の結果彼女の死因は病ではなく毒殺だった。なぜ女性は死ななければならなかったのか、会場にはマリーナの夫であり映画プロデューサーの夫、マリーナのライバル女優とその映画監督の夫、マリーナの秘書らがいた。
このヘアメイクはないと思うのですが…。
アガサ・クリスティの小説の映画化ですが、こちらは名探偵ポアロではなく、老婦人のミス・マープルが謎を解き明かすマープル・シリーズ作品の映画化。小説タイトルは原題に近い「鏡は横にひび割れて」。「オリエント急行殺人事件」、「ナイル殺人事件」につづくクリスティ作品のオール・スターキャストの映画化なので邦題は関連性を持たせたかったのかも知れないけど、殺人事件は良しとしてもクリスタルって…。鏡=クリスタル?実際作品にはクリスタル(水晶)どころか鏡もあまり関係ないし、割れた鏡というのは単なる隠喩なので、ちょっと邦題がカッコ悪いのは残念ですね。
それともう一つ残念だったのは往年の大女優マリーナ・グレッグを演じたエリザベス・テイラーですね。往年の大女優、まさにエリザベス・テイラーそのままのキャラクターですが、ちょっと衣装とか体系とか、ヘアスタイルとか、演技とか、ちょっとだけ残念でした。
その他キャストはミス・マープルがアンジェラ・ランズベリー。つい最近まで知らなかった女優ですが、「ナイル殺人事件」のときは容疑者の役で登場。1944年の「ガス燈」ではメイド役の超若いアンジェラ・ランズベリーを観た。他には容疑者役にジェラルディン・チャップリン、トニー・カーティス、キム・ノヴァクなどがいる。今回はそんなに容疑者は多くないですね。事件も地味な事件なんですが、そこんとこは好きです。映画というか、物語自体は好きな作品です。
それと青年時代のピアース・ブロスナンが新人俳優という役でセリフもなく一瞬登場します。