QUARANTINE 評価 6
原題の“クアランティン”の意味は“(病気の蔓延を防ぐための)隔離”だそうだ。2007年の話題のスペイン発のホラー映画[REC]のハリウッドリメイクヴァージョンがこの「REC:レック/ザ・クアランティン」。2008年全米公開で日本では
劇場未公開レンタル開始。“REC”の意味は勿論ビデオカメラの録画を意味する“RECORD”の略語ですね。
RECはP.O.V(ポイント・オブ・ヴュー)という一点のカメラを中心に、カメラの存在も映画の一部として扱ったホラー映画。最近では
「クローバーフィールド」などもこの手の作品。スペインのオリジナル版も少し気になっていたけど、随分前からハリウッドリメイク版が作られると聞いていたので見送ってました。ビデオカメラ主体のこの手の映画って画面もグラグラするし、普通の映画とはちょっと違うなぁ〜、という特異な感じがあり、なかなか観たいという意欲が個人的には湧きづらく、正直若干舐めていたけど、予想に反して、ホラー映画としては良作。こうなるとオリジナル版のほうがハリウッド版よりローカルで鬼気迫っていそうなのでもっと怖いかもと思った。
ハリウッド版も観る限り恐らくオリジナル版を忠実に再現したであろう作りになっている。ある消防署を取材しに来たTV局のクルー。和気藹藹とした取材も束の間、消防に出動命令が掛かり辿り着いたマンションでは1人の老婆が叫び声を上げ興奮していた。現場に駆け付けた警官も老婆をなだめるが突然警官の1人が老婆に噛みつかれるという惨事に…、怪我人を搬送しようとマンションから出ようとする一行、しかし更に駆け付けた特殊部隊によりマンションは完全に隔離され、TVクルー、住人、先に駆け付けた消防隊、警官、誰1人として外に出られない状況に…。
というはじまりの映画でマンションに入ってからはノンストップでエライことになっちゃうんですね。病気の蔓延を防ぐための隔離なので、ゾンビムービーの傾向もあります。実際この映画の場合はカメラのグラグラ感は気になりません。ただ中盤後半もうパニックになっちゃって、主演女優もそれ演技なの?っていうくらい喚きまくって、しかも演出でなぜかカメラのライトが不安定で点いたり消えたりするので、後半はイライラ必至です。まあ極限状態をリアルに描きたいんだとは思いますが、こんな極限状態でカメラ回し続ける人間自体リアルじゃないので、そこまでリアルにこだわらずともなとも思いますが、ホラーファンとしてはオススメ映画です。
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