EASTERN PROMISES 評価 8
監督デヴィッド・クローネンバーグと主演ヴィゴ・モーテンセンが組んだ映画
「ヒストリー・オブ・バイオレンス」に続き再び両者が組んだ映画。2007年度のアカデミー賞で主演のヴィゴ・モーテンセンが主演男優賞にノミネートされたマフィア映画「イースタン・プロミス」を鑑賞。R-18指定。続編制作の話もあるらしい。
舞台はロンドン。裏社会のロシアン・マフィアに従事する謎の男をヴィゴ・モーテンセンが演じ、あることがきっかけでロシアン・マフィアと深く関わることになってしまった看護師をナオミ・ワッツが演じています。ヴィゴ・モーテンセンはこういうミステリアスで危険な男が良く似合います。
ロンドンの裏社会を牛耳っているロシアン・マフィアが描かれている映画で、ところどころにロシアン音楽的な演出があって、骨董品のような古さだけど、むしろその古めかしい文化がカッコイイと思える映画でした。そしてロシアン・マフィアは体が履歴書だ、と映画のセリフにありまして、マフィアに属する男たちは自分が所属する組織などのモチーフを体に彫っているんです。なのでポスターにもヴィゴの手の甲が映っていますが、タトゥーがこの映画の特徴でもありました。
ヴィゴ・モーテンセンと言えばやっぱり「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴルンを連想してしまうけど、ロシアン系マフィアを演じるんだから、実はヨーロッパ出身なのかな、と思ったら、デンマーク人の血が入ったアメリカ人でした。映画のキーキャラクターでロシアン・マフィアを熱演を披露しているヴァンサン・カッセルももちろんフランス人、その父を演じている俳優も、ナオミ・ワッツも、ナオミ・ワッツの叔父役であからさまなロシア人な役だった人もロシアのとなりポーランド出身…。ロシアン・マフィアを描きつつも実は主要キャストには全然ロシア人がいなかった、という事実をしっても、実にロシアな映画だったなーと思えるのは美しい。ヴィゴ・モーテンセンのあの片言ロシア訛り風な演技がアカデミー主演男優賞ノミネートに挙がった一因かも知れません。
それとR-18指定なのでグロいシーンはあります。死体の指を切り落としたり、敵の喉笛を切り裂いたり。逆に若い女の人のヌードなシーンもありました。個人的にはR-18指定にしては、そこまで描写は酷くないかな、とも思いました。ただし中盤でヴィゴ・モーテンセンが全裸で格闘するシーンがあるのですがこれはかなりインパクトあります。テープなどで股間を隠してその隠した部分をデリケートにカメラに映さないように撮影する…とかそんなんじゃなく。完全に全裸でした。ヴィゴ・モーテンセンのアレが完全にフィルムにおさめられていましたね。うん、これもアカデミー賞主演男優賞候補になった一因かも知れない。
Amazon イースタン・プロミス [DVD]