FROZEN 評価 8
2010年日米公開のスキー場のリフトにおいてけぼりホラー「フローズン」を観賞しました。予想以上に傑作、快作で驚いております。監督は長編デビュー作「ハチェット」というスラッシャー映画で一部映画ファンから期待されている人(アダム・グリーン)。
「ハチェット」も劇場未公開ですが日本でもレンタルはされており、筆者も観賞済み。「ハチェット」を観た筆者の感想はかなり酷い、というものでしたが、「フローズン」は打って変ってなかなか素晴らしい映画だと思います。インパクトだけのシチュエーション・ホラーっぽいけど、多少話題だから一応押さえておくか、そんな気持ちは前半で吹っ飛びました。「オープン・ウォーター」とは違う…。「ハチェット」も第二弾がこれから全米で公開されるようで、少し話題となっております。
どこにでもいるような単にウィンタースポーツを楽しみに来た、ダン、ジョー、パーカーの男二人、女一人の三人組。一日スキー場で遊びまくって、営業終了間際、もう一回リフトに乗せてくれと、強引にリフトに乗車する三人。しかし係員の思い違いでリフトは三人を乗せたまま停止。山も吹雪いてきて場内は完全に営業終了。極寒のスキー場のリフトの上で取り残されてしまった三人。スキー場の営業再開はなぜか一週間後。絶体絶命。
という物語。単に意味不明にリフトに取り残されて、延々と凍える三人をだだ映しな映画ではまずないですね。リフトに取り残されるまでに彼らの人間性やキャラクターを何気なく紹介。演じている役者も無名ではなく、
「トランスアメリカ」のケヴィン・ゼガーズ、「X-MEN」のアイスマンのショーン・アシュモア、女の子は日本ではあまり知られていないエマ・ベルという子。でもこの子の演技は良かった。
そしてリフトに取り残されてしまう流れも、そんなに嘘っぽくはなく、まああり得るだろうな、という感じ。そして何より、南極やジャングルといった一般人がなかなか体験できない場所ではなくスキー場のリフトの上という誰でも簡単に利用できる身近な場所で体験する恐怖をホラー映画の題材に取り入れたアイデアが上手い。
そしてそれだけではなく、リフトに取り残されてからはきっと、退屈な場面の連続なんだろうという筆者の思惑を完全に覆す、小イベントの数々。なかなか飽きさせない、最後まで引っ張る力が、なかなかこんなシンプル映画なのに、パワーがあります。リフトの上での三人の会話なども凝ってますね。
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